戦略とは何か

 企業が外部環境とのかかわり方の基本方針を示したものが戦略です。外部環境とは,資本市場,原材料市場,労働市場,製品市場など様々です。このうち,特に製品市場との関係に着目したものが戦略と呼ばれます。

 

 戦略とは,「市場の中の組織としての活動の長期的な基本設計図」である(伊丹・加護野,2003, p.20)

 

 市場,特に製品市場には多数の競合他社が顧客に対して製品を提供しているので,自社の製品を顧客に選んでもらえるようにする必要があります。そのために戦略が必要となります。

 組織とは,組織で働く従業員に響くような戦略が必要であるということです。

 活動とは,戦略が実行できるように資源配分がされる必要があるということです。

 長期的とは,長い時間を見据えた構想が必要であるということです。

 基本設計図とは,大きな構想を意味するものであり,細かなことを設計することではないということです。

 

 戦略とは,「企業や事業の将来のあるべき姿とそこに至るまでの変革のシナリオ」を描いた設計図,である(伊丹・加護野,2003, p.23)

 

 戦略論の議論は,経営者が今後数年間の行動指針として戦略を事前に考えるということからスタートしている(高橋編著, 2011, p.13)。

 

 

 

伊丹敬之・加護野忠男(2003)『ゼミナール経営学入門 第3版』日本経済新聞出版社

高橋伸夫編著(2011)『よくわかる経営管理ミネルヴァ書房