企業の統治

 企業は多くの人や組織とかかわりながら存在しています。企業の経営は経営者が行います。従業員は企業から給料を受け取るだけでなく、自身の成長を目指したり、従業員同士のコミュニティを作ったりします。顧客は企業から商品やサービスを購入します。仕入先からは原材料を仕入れます。銀行,債権者や株主などから資金の提供を受けています。

 そんな会社がなんの縛りもない状態で事業を行っていたらどうでしょうか。自動車にアクセルがあるけどブレーキがついていない状態です。危険ですね。会社は多数の従業員が協力して事業を行うため1人では到底達成できない大きなことができてしまいます。そのため統治の仕組みがないと恐ろしいことになります。

 統治の仕組みには,株主による経営者の選任・解任,労働組合,金融機関による監視などがあります。このうち最も強いのが株主による統治です。経営者は株主によって選任されるため,株主に資するような事業活動を行います。労働組合「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織する団体」、すなわち、労働者が団結して、賃金や労働時間などの労働条件の改善を図るためにつくる団体です。

 統治の限界として経営者と株主が同じ場合があります。これは同族経営や一族経営と呼ばれております。経営者が会社の所有者である株主となるので,会社を好き勝手にできてしまう危険性が潜在的に備わっています。

 経営者は社会で存在を許されているから事業を行えていると心にとめながら考えることが重要だと思います。